鉄を主成分とする合金を、総称して【鋼】と呼んでいます。
①炭素鋼
その中で鉄と炭素の合金で作られた鉄鋼材料が炭素鋼です。
一般的に【鉄鋼材料】と呼ばれるものは、炭素鋼のことを示しており、「鉄」に「炭素」を混ぜた合金です。
この鋼は、鉄に含む炭素量が増えるに比例して、硬く強くなり、硬く強くなるのと反比例して、「靭性(じんせい)」と呼ばれる引っ張りに強いしなやかさは失われてしまします。
よって、鉄に含む炭素含有量が増えれば硬く強くなりますが、靭性が失われるので、強度の限界を超えれば折れてしまいます。そこで、鋼は硬さ強さと靭性とのバランスをとって作られています。
また、熱処理を施すことで硬さを出したり粘りを出したりして性質を変えることも可能です。
炭素鋼で作られたものとしてはピアノ線が有名です。
ねじ関係の鉄の材料 | ||
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名称 | 記号 | 用途 |
軟鋼線材 | SWRM | 釘、リベット、ワリピンなど |
硬鋼線材 | SWRH | バネ座金など |
冷間圧造用炭素鋼線 | SWCH | 小ねじ、ボルト、ナット タッピンねじなど |
機械構造用炭素鋼 | S**C | ナット、ワッシャーなど |
機械構造用合金鋼 | SCM | キャップ、高力ボルトなど |
冷間圧延鋼 | SPCC | 平座金など |
S45Cとは?
S45Cは、炭素鋼鋼材S-C系(SC材)に分類され、JIS規格における「機械構造用炭素鋼鋼材(きかいこうぞうようたんそこうこうざい)」という規格です。
軟鋼に比べて硬く高い強度をもつ材質です。
「S○○C」の「○○」に入る数字は、炭素含有量が何%であるかを表しています。下記表にて成分がわかりますが、例えばS45Cの場合は、炭素含有量は0.42%~0.48%と0.45%前後です。
S45Cを代表とするSC材は、炭素含有量によって規定されているため、成分規格が明確なので、熱処理による加工性と溶接性も良く、幅広く使われてる鋼材です。
材質 | シンボル マーク |
C | Mn | P | S | Si |
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S45C | S45C | 0.42~0.48 | 0.60~0.90 | 0.030 以下 |
0.035 以下 |
0.15~ 0.35 |
※SNB7と成分が似ているため、SNB7材ボルトにはS45C材ナットがよく用いられています。
②軟鋼
炭素鋼の中でも炭素量が0.2~0.3%程度のもので、比較的柔らかい性質を持ちます。
金網やホッチキス芯などにも使われています。
③硬鋼
炭素鋼の中でも炭素量が0.5~0.8%程度の炭素鋼です。
硬さや耐摩擦性に優れます。
より炭素量が多いものは、金属加工に用いられる工具や金型などにも使われます。
④ニッケルクロム
炭素鋼にニッケルとクロムを添加した合金鋼です。
耐食性や耐摩擦性に優れています。
⑤ニッケルクロムモリブデン
ニッケルクロム鋼にモリブデンを添加し、焼入れ性を向上させてものです。
関連LINK
関連LINK | ||
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一般的な材質 | ||
鋼 |
ステンレス |
黄銅(真鍮) |
アルミニウム |
マグネシウム |
プラスチック |
チタン |
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特殊な材質 | ||
【高強度材質】 | ||
ボルト用SNB材 |
超々ジュラルミン |
SUS304CUN
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A2-70六角ボルト |
A2-70六角ボルト |
機械構造用合金鋼 |
【高耐食材質】 | ||
マリンステンレスMS-270 |
チタンを上回る材質シリーズ |
SUS329J4L |
ハステロイ |
SUS316.SUS316L |
|
【耐熱材質】 | ||
SUS310S耐熱材
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インコネル (Inconel®) |
ボルト用SNB材 |
【材料規格の指定】 |
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JIS G 4303 SUS304 鋼材指定 |