溝付きナット&ピン穴によるもの

1-2.溝付ナット(キャッスルナット)&ピン穴によるもの

 ボルトの端にピン穴をあけて 締め付け後に 割りピン等を挿入して固定します。
ボルトのピン穴加工にコストが高くつきます。 上の写真のピン穴加工位置は先端すぎるので、もう少し先端から余裕を持ったほうが割れ等がなく安全です。

 キャッスルナットを利用することでナット回転を防ぎゆるみを防いでいます。ゆるみ止めナット商品がなかった時代には 確実なゆるみ止めとして良く利用された方法です。現在も 高い温度域で利用される場合や 確実なゆるみ止めを求める場合に利用されますがボルトにピン穴をあけるということで 融通性がなく 加工コストが高く ボルトに傷をつけることにもなります。 最近ではゆるみ止めナットが各種あるので あまり利用されていません。


 上写真の場合は、脱落防止にピン穴を利用した例です。
ゆるんだ場合、最悪でもナットの脱落による危険は防止するというかたちです。

 ボルト先端面に穴を開けてピンを挿入して溶接し、ナット締め付け後、ピンを手前にまげて脱落防止とする加工(ハードロックナット工業製)もあります。HLスプリング(九州ハードロック工業製)も優れたゆるみ止め効果を持ちます。


ロックワイヤ式

 ボルト頭横に止め穴を開けて、針金を通してゆるみ止めにする方法もあります。これも穴あけにコストがかかります。ボルトとナットの組み合わせの場合は利用されません。


 ボルトが一箇所の場合は頭部穴に通した針金を別部位の穴等に引っ掛けます。ボルトが複数ある場合は、ボルト間で針金を通してゆるみ止めとします。ナットと組み合わせる場合は、ピン穴のようにねじ部でも有効です。六角穴付ボルトなどでもタップ穴等に締め付ける場合に緩み止めとして利用され同じように頭の横に穴をあけ 締結後に穴をあけた六角穴付ボルト同士、または固定物と針金等で結ぶことでボルト自体の緩みを防止します。

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