焼き付き防止コート
焼き付き(かじりつき)防止に
焼き付き防止コートとは
焼き付き防止コートとは主にステンレス(SUS)の焼き付き防止に使用されています。
ステンレス(SUS)は、熱の伝導率が低いため発生した熱が停滞しやすい上に、温度の上昇によって長さや体積が膨張する割合(熱膨張係数)が高いため、高速で締結作業を行うとその摩擦熱により、雄ねじと雌ねじが互いに食い込んで回せなくなることがあります。その現象を焼き付き(かじりつき)と呼びます。
トルク(回転力)によっては、ボルトが折れることもあります。
よって、熱膨張係数を下げ、焼き付きを防止するために、表面に潤滑被膜を施す処理=焼き付き防止コートを施します。焼き付き防止コートを施すだけで焼き付き防止(かじりつき防止)が可能なので、コストパフォーマンスが良くステンレス材によく用いられています。
焼き付き(かじりつき)例
焼き付き(かじりつき)例
●ステンレス(SUS)のボルトやナットを電動機などで締め付けた際の焼き付き
●アジャスターボルトの焼き付き
装置の重量が過度にかかった状態でアジャスターボルトを回したことによる焼き付き
●ねじ穴がずれているにもかかわらず、無理にねじ込むことによる焼き付き
ステンレスと鉄の比較
- ステンレスの熱伝導率【低】
- ステンレスの熱膨張率【高】
材料 | 熱伝導率 (W/m℃) |
線膨張係数 (×10-6/℃) |
---|---|---|
鉄 SS400 |
50.0 | 11.7 |
ステンレス SUS304 |
16.3 | 17.3 |
ステンレス:鉄 比較 |
鉄の約1/3 (魔法瓶、お鍋、お風呂などに使用) |
鉄の約1.5倍 |
鉄と同じ程度の摩擦でも熱が発生しやすく、その熱による変形や歪みも大きくなります。
焼き付き防止コートの成分
焼き付き防止コートの成分は、一般的に高潤滑性のフッ化樹脂をベースにしており、Sコート等各社独自の名前が付けられています。
焼き付き防止コート対象製品
各種ネジ製品(ステンレス以外も対応可能)
耐食性や美観性を求めるために、表面処理内の油脂・不純物を完全に除去する手法が発展したことにより、製品のすべりが悪くなり、摩擦係数が高くなり、焼き付きが生じることが近年みられています。よってステンレス(SUS)以外の材質にも焼き付き防止コートの需要が高まってきました。
トミタラシではステンレス(SUS)以外への焼き付き防止コートも対応いたします。
お気軽にお問い合わせください!
焼き付き防止コート事例
●六角穴付きボルト(CAP)
●六角ボルト
●+なべ小ねじ
●+皿小ねじ
●+トラスコねじ
●タッピングねじ
●六角ナット(1種、2種、3種)
●組み込み品
など
ステンレス焼き付き防止コート ラインナップ例
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