ダクロダイズド アルミフリー(ダクロDX350)

水素脆性の心配が無い高機能表面処理ダクロダイズド®・ダクロメットプラス

水素脆性の心配が無い高機能表面処理
ダクロダイズド®処理
アルミフリー ダクロDX350

1、ダクロダイズド®ダクロDX350とは?

ダクロタイズド®処理ダクロDX350は、水素脆性の心配が無い高耐食表面処理です。

ダクロタイズドDX350® 処理液(ダクロディップ)の中に被処理物を浸漬した後、焼き付け炉中で約300℃ に加熱します。加熱することで六価クロムが還元され、水不溶性アモルファのnCrO3 ・ mCr2O3 を生成し、これがバインダーとなって、数十層に積層された亜鉛フレークを相互に結び付けて皮膜を形成します。
さらにダクロディップ中の無水クロム酸が金属素地表面を酸化して化学的に結合し強固な密着力を生じます。

電気亜鉛めっきと比べ耐食性はもちろん、耐熱性にも優れています。
また、行程中、塩酸処理を行わないので水素脆性の心配はありません。

●DX350® 処理液● 金属亜鉛フレーク、無水クロム酸、グリコール等の分散水溶液です。

POINT:通常仕様のダクロDX380処理とダクロDX350の違いは?

ダクロDX350処理は、通常仕様のダクロDX380処理と比較し、コンクリートに埋め込んで使用されることを想定し、液体コンクリート(アルカリ性)と反応するアルミ成分を除いた処理となっております。

ダクロDX380
ダクロDX380処理は亜鉛フレークとアルミフレークが混在しているような構造
ダクロDX350
アルミフリー
コンクリートに埋め込む際に通常のダクロだと塗装面をコンクリートが覆う為、
成分中のアルミ成分が、強アルカリ化し、中に気泡が出来てしまうトラブルが発生してしまうのを防ぐ処理

主な採用分野:建築関係

ダクロタイズド®DX350
処理被膜の防錆機構

亜鉛粒子のコントロールされた自己犠牲保護作用( Controlled Galvanic Protection )と、
クロム酸による素地面の不働体化(Passivation )および亜鉛フレークと、クロム化合物の障壁作用( Barrier Effect )によって構成されています。
他にみられない優れた耐蝕性を示します。

水素脆性の心配が無い高機能表面処理ダクロダイズド®・ダクロメットプラス

2、ダクロダイズド®処理DX350工程

ダクロダイズド®処理の工程は素材の大きさや形状などにより異なります。
下記はボルトやナット、ねじ、座金などの処理に適した処理工程です

【ディップスピン方式】

浸漬塗装 
ダクロディップ中に被処理物を浸漬
●使用される処理液(ダクロディップ)●
金属亜鉛フレーク、無水クロム酸、グリコール等の分散水溶液です。
焼付   
焼き付け炉中で約300℃に加熱する。
300度に加熱することで六価クロムを溶液中の他材料(グリコール等の有機物)と還元してシルバーの三価クロム(水不溶性アモルファスのnCrO3・mCr2O3)を生成しこれがバインダーとなって、数十層に積層された亜鉛フレークを相互に結び付けて被膜を形成します。
同時に無水クロム酸が金属素地表面を酸化して化学的に結合し、強固な密着力を生じます。

3、ダクロダイズド®処理DX350の特徴

対塩水噴霧性及び耐サイクルテスト性に優れる
通常仕様のダクロDX380処理と同等の防錆性能です。
ダクロタイズド®処理DX350は、塩水噴霧試験やサイクルテストにおいて格段に優れた防錆力を発揮します。
わずか8~10μm程度の皮膜ながら、従来の電気亜鉛メッキ(有色クロメート処理を施した電気亜鉛メッキ・溶融亜鉛メッキ・ニッケル亜鉛メッキなど)と比較し優れた耐食性を示します。
対塩水噴霧性及び耐サイクルテスト性に優れるダクロダイズド®処理DX350
耐熱耐蝕性
耐熱試験において従来の電気亜鉛メッキは表面のクロメート皮膜が100℃で破壊されるのに対し、
ダクロダイズド処理DX350は連続250℃の温度に長時間耐えることが可能です。
【300℃で12時間加熱後の表面処理】電気亜鉛メッキ
ダクロダイズド処理上への塗装も可能
ダクロダイズド処理DX350は密着性に優れるため、塗装も可能です。要ご相談にて
アルミとの電食に防止効果あり
近年増えているアルミと鉄の組み合わせにおいて、電位差によるアルミ材料の電食が増えております。
アルミ部材に鉄、ステンレスボルトを締結する場合には、ボルト側にダクロダイズド処理DX350を行うことで、電気亜鉛メッキに比較して電食の発生を低く抑えます。
水性脆性の恐れがない
ダクロタイズド処理DX350は、行程中で一切酸処理(酸洗い)を行いません。よって電気亜鉛メッキのように行程中です急がずが発生し、素材中に浸透して遅れ破壊を起こす心配もありません。
また、電解反応によって発生する水素ガスが素材に浸透する事が無い為、素材硬度を失わず、優れた防錆が得られます。
付き廻り性に優れる
ダクロディップは、複雑な形状をしているものにも強力に浸透して防錆皮膜を作ることができます。よって従来の電気メッキでは処理が困難であった、パイプの内面など、複雑な形状のものにも適用できます。
公害の心配がない
焼付工程での揮発物は水蒸気が主体で法で定められた有害物質は含まれていません。
さらに溶剤系ではなく、水系の処理液を使用して処理を行っております。

4、ダクロダイズド処理DX350処理例

国内外で幅広く使用されています。
主に建築関係・土木関係

・トンネル

・道路

・地下鉄工事  etc

5、ダクロダイズド処理品事例紹介

ダクロダイズド処理
×皿小ねじ
ダクロダイズド処理
×蝶ナット
ダクロダイズド処理
×皿タッピン

 

関連リンク
通常仕様のダクロDX380とは?
ダクロダイズド処理環境対応品はこちら

ダクロタイズド®は六価クロムを使用しているため
RoHS指令およびREACH規制に適合していません。

ダクロダイズド処理をもとに開発された新技術

クロムフリー防錆処理

※ダクロタイズド®、ジオメット®は、NOFメタルコーティングス株式会社(旧社名:株式会社日本ダクロシャムロック)の登録商標です。