1、ステンレスのかじり(焼き付け)ってなーに?

 

Q,【よくステンレスがかじっちゃったていう話を聞くけど、かじりとは何のことですか?】

 

A,

 ステンレス材は鉄に比べて滑りにくいため、摩擦による抵抗を受けやすいです。また、熱伝導率が低く、熱が逃げにくい。さらに熱膨張率が鉄より高いため雌ねじ雄ねじのはめあい部分が溶着しやすいのです。

 よって、ステンレスのボルトやナットを電動機などで締め付けると、ねじのはめ合い部で摩擦による熱が発生します。その熱によってネジ部が膨張し、雄ねじと雌ねじが密着して動かなくなる状態をステンレスのかじり(焼き付け)と言います。
トルクによってはボルトが折れることもあります。


ちなみに、フッ素系樹脂を表面にコーティングするとネジ部の摩擦が小さくなりかじり付きを防ぐことができます!

 


オーステナイト系ステンレス鋼のねじ(A2/A4)は、トルク係数が0.35を超えると焼き付きが発生するので、0.15~0.25のトルク係数を推奨いたします。

材料 熱伝導率
(W/m℃)
線膨張係数
(×10-6/℃)
SUS304 16.3 17.3
SS400
50.0 11.7
SUS304 鉄の約1/3 鉄の約1.5倍

上表は、SUS304とSS400の比較です。ステンレスがお風呂やキッチン用品などに使われているのは熱を逃がさないからです。使用条件に見合った表面処理をすることで、焼き付き防止対策に加え、ボルトに適正な軸力を持たせることが重要です。

トルク係数は、実際にご使用になるボルトやナットで確認することをおススメします!!

当社では

トルクデータのご提供+適切な表面処理のご提案

をさせて頂きます。お気軽にご相談ください!!

 

2017年02月27日