3、半ねじってねじの長さが半分なの?
Q,半ねじって、ねじの長さが半分なの???
A,半ねじはねじ部が半分なのではありません!!
六角ボルトなどで半ねじと呼ぶ場合、ねじが軸の半分まであるわけではありません。
JISでねじ部長さ範囲が定められています。目安としては径の2.5倍ですが、軸部の長さやメーカーによっても範囲内で異なる場合があります。ねじのない部分呼び径以下ややマイナス(径により異なりますが-0.15程度)する径となります。同じ呼び径でも全ねじ品より首下がやや太く強度も若干強くなります。
また、たとえばM20-30Lなどの短いサイズでは半ねじは存在しないことになり、軸部すべてがねじである全ねじ品となります。M10ではM10-35まで全ねじとなることが多く(メーカーにより半ねじがある場合もある)M8以下で50ミリ以下のボルトは、一般的に全ねじ品のみとなります。(サイズによっては半ねじ品を作っている場合もある)多く利用される六角ボルトは指定しなければ半ねじ品を指します。ただし上記のような短いサイズやM8以下の50L以下などでは全ねじ品となります。
中ボルトと呼ばれるものも同様です。
全ねじは六角ボルトの全ねじ、押ねじ(捺ねじ)等と呼ばれます。
六角ボルト(中ボルト)の短いサイズで全ねじになっているサイズより長いものに対して全ねじを要求する場合に六角ボルト全ねじ品と指定して呼びます。
+なべ小ねじなどでも100ミリを超えるような長いものでは半ねじ品となりますが、ねじ部長さはメーカーにより異なります。また、ねじのない部分は六角ボルトなどと異なり転造下径となります。
- 転造下径(転造径)
- ねじ山は工具を強い力で押すことにより作りますが、押すことで谷を作り、盛り上がったところが山になるようにねじを作る前の材料径が決まっています。したがって、転造下径はねじの呼びよりも若干細くなります。ただし、ナットを軸部に落とすことはできません。ねじ部の終点でナットはそれ以上進めなくなります。